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恋のからまわり イタリアの誘惑のJIZEのレビュー・感想・評価

2.7
レストランの特別研修によってイタリアへと渡った女性が旅先でのロマンスに心を躍らせる一方で一つの疑念から次第に正気を失ってゆく。まるでウディ・アレンが監督したようなレトロな旅情風味のダークな風刺ロマコメ。またこの映画に登場する上司はみな人間の底はかとない欲望や傲慢さの吐き口のメタファーのように感じる。もしくは本編に登場する上司の気味の悪さそれ自体をミステリー風味に仕立てたような。イタリアの旅先で経験する人間が宿す古き風習にぶち当たる主人公が、現代のデジタル思考でどう立ち回り切り抜けるのか。とくにオーブリー・プラザの出演は理に適ってて彼女ならではの一癖二癖ある雰囲気が、妖艶な作風とも合致する。突如LGBTの要素を盛り込んだり全体的にキャラクターのやりとりや着地が冗長でそもそも映画にすべき題材なのか疑念を感じるが、奇妙な映画を観た余韻にはひたれた。
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