荒野の狼

Rainbow/レインボーの荒野の狼のレビュー・感想・評価

Rainbow/レインボー(2022年製作の映画)
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ジャンクフードというのは、残飯(ざんぱん)ではない。残飯というのは読んで字の如く「人が食べたゴハンの食べ残し」の事である。一方ジャンクフードと言うのは歴(れっき)とした食品であって体裁も味も一定の評価を得ているし、もちろん食品として不潔ではない。
かつて飼いイヌのエサは主人の食い残し、つまり残飯であった。それでもイヌは美味しそうに食った、イヌはそれで満足であった。しかし人の場合はそんなわけにはいかない。腹が減ったからといって、そう易々となんでも食えないが、仮に不味くてもハンバーガーと名がつけばそれは屑(クズ)ではないのである。つまりジャンクフードとは、美味いゴミなのだ。これを踏まえてこの作品を端的に表現するならば、「ジャンクフードの体(てい)をした残飯映画」すなわち(料理ではない)調理された残飯、無印不良品と言ったところだろう。それでもそう指摘すれば褒め言葉になったり、美味いんじゃないかと勘違いしてしまうジャンクな今の世が情け無い。もちろんイヌなら食うかもしれない。食材そのものに非はない。
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