ゴア描写も飛び出す過激な暴力シーンが魅力のクリスマス映画。
とても好きな『セブンシスターズ』監督の新作ということでワクワク映画館におもむき、楽しく観賞した。
タランティーノ作品を始め、作り手が
「あれもこれもオマージュしたい!好きなんだから仕方ないじゃん!」
と開き直りを炸裂させる姿勢は潔くて好きだ。
今作は『ダイハード』や『ホームアローン』を地で行くアクション+コメディ要素に加え、
「サンタクロース(=無償の善意)を信じる心と信じない心の拮抗」
を描いた『三十四丁目の奇蹟』的なテーマも織り込まれており、ただ楽しいだけで終わらない作りになっている。
現金主義でドライな子供が増えていることが原因で、サンタクロース本人もクリスマスの魔法を信じる気持ちが薄れている、という設定も斬新だ。
戦闘中に魔法がなかなか発動せず難儀するシーンがあるが、そのやさぐれた心情を踏まえた演出だろうか?
悪役でジョン・レグイザモも出ているし、スノーモービルのチェイスシーンもあるし、特に『ダイハード2』へのオマージュが徹底していた。
『ランボー』よろしく、孤軍奮闘するサンタさんが自分の傷口を自分で縫ったりもする。
スクルージが改心しない『クリスマスキャロル』でもある。
序盤は多少の緩慢さを覚えるが、中盤以降で盛り返した印象だ。
(虐殺シーンのカタルシスを演出するためだけに集められた)大量の人間をハンマーでボコボコに殺害するシーンがとりわけ痛快だった。
『ジョン・ウィック』や『キングスマン』における教会の虐殺シーンを思わせて実に良い。
『ファーゴ』よろしく人間がウッドチッパーに放り込まれミンチになる描写も最高だ。
小さなお子さんがいるご家庭ではクリスマスに一家団欒しながら観る映画として採用しないことをオススメします!