クリスマス・イブの晩、ブリストルのパブで管を巻いていたのはサンタクロース。"What kids have become they are little junkies.(子供は小さなジャンキー)"とまで言ってのけ、世界中に蔓延する物質主義に辟易としていた。そんな彼がコネチカット州の豪邸を訪れた際に、武装した強盗集団と鉢合わせてしまう。
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そ の よ ぉ だ !
ーThis review will self destruct in 5sec.
ーWishing you a very merry Christmas!
◆ Welcome to your worst Christmas ever.
今作のサンタさんは流血上等。『ジョン・ウィック』手掛けたDavid Leitchが設立したアクション映画制作会社《87ノース・プロダクション》が贈る、ちょっぴり過激なホリデームービー。
David Leitchの代表作である『ジョン・ウィック』や『ミスター・ノーバディ』の様に、一見すると「The Fxxxing Nobody(誰でもない男)」な中年男性が「実はとんでもないヤツでしたー」という骨子のバイオレンス・アクション作品。
クリスマス・イブの夜、世界中の良い子たちに夢と玩具を届けてくれる心優しいサンタクロースは、本作においてはかつて欧州を震撼させた戦士であり簒奪者。自慢の愛槌で数多の脳天を叩き潰し《Nicomund the Red》と恐れられたヴァイキングでしたという設定。
凶悪な強盗たちも、幼い頃にはプレゼントを届けてあげた事のある子供たち。過去を振り返りながら《悪い子たち》を容赦なく血祭りに上げていくサンタさん。《Naughty List》が悪い子リストじゃなくて処刑リストになっています。煙突の上でズタズタになった肉片(リストに載っていた悪い子の残骸)を抱えて"Ho Ho Ho."はさすがに画力が強い。ごりごりの武闘派サンタさんをDavid Harbourが熱演していました。
◆ Anyone ask for a bat, a sword, or Molotov cocktails?
サンタさんも無敵という訳ではありません。元ヴァイキングであるためタフガイではありますが、武装集団をいとも容易く一網打尽という訳にはいきません。バットや剣、火炎瓶をプレゼントにお願いする子供がいなければ戦う術がないのです。サンタさんの魔法の袋からはビデオゲームが出てくるばかり…。
傷つきながらもじわりじわりと敵を追い込んでいく姿はさながらJohn Wickの様であり、Hatch Mansellの様でありました。そしてクリスマス・イブの晩に武装集団を相手に孤軍奮闘する姿は、ホリデー・アクション映画の大人気作品『ダイ・ハード』の主人公John McClaneを彷彿とさせます。
クリスマスの奇跡について"It's magic. I don't really understand how it works.(魔法の仕組はわからない。)"というスタンスを取っているのも面白いです。いよいよサンタのおじさんでは無くヴァイキングのおじさん感が強い。
ですが、下品で暴力に躊躇いがないものの、《Nice List》に載っている良い子に対してはあくまでも優しいサンタさん。ダイニングに用意された《お礼のクッキー》が手作りだと嬉しそうな表情を浮かべ、(牛乳は捨てつつ)年代物のウィスキーで一杯。ブラックコメディの主人公として描かれつつも、ここにホリデームービーのほっこりエッセンスの下地がありました。
◆ Maybe this is my last year.
ーMy last Christmas.
今作のサンタさんはかなり人間くさいキャラクターとして描かれているのもポイントでした。元ヴァイキングとはいえども今はしっかりサンタさんなので、サンタクロースを信じる良い子を全力で助けてくれます。
どこかやさぐれていて、いい加減で、奥さんとは上手くいっていない。彼が擦れてしまったのは、サンタを信じないジャンキーのような子供たちが増えてしまったから。
信じる心を忘れてしまったのは
実はサンタクロースの方でしたー。
清らかな信じる心を持つ少女によって、
サンタクロースは復活したのでしたー。
クリスマス・イブの晩、強盗集団から心優しい少女の事を救ったサンタクロースもまた、彼女に救われていたという素敵な余韻。ただのブラック・コメディでは無くちゃんとホリデーのエッセンスが散らされていました。
ーGo on, you beautiful bxxxxrds!!
We have work to do!!
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Dear.その夏っち
ハッピーホリデー!!*↟⍋*↟
期待(?)通りのバイオレンスアクション
だったけど、ブラック・コメディ要素も
入ってたのは嬉しいサプライズだった!
ホリデー感もちゃんと(?)入れてきてて
単純なアクション作品にならないように
仕上げようっていう気概を感じたよ!