GreenT

ランディ・ローズのGreenTのレビュー・感想・評価

ランディ・ローズ(2022年製作の映画)
2.5
一番印象に残ったのは、サンセット・ストリップではランディ・ローズはすごい有名で、エドワード・ヴァンヘイレンとライバル関係だったってこと!私がランディ・ローズを知ったのは『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』の後なので、その頃にはヴァンヘイレンは地位を確立していたし、オジーのバンドにいたからアメリカ人だってことさえ知らなかった。

で、エディがインタビューで「ローズは、俺がまだやったことのないことはやってない」って豪語してるのを聞いて、エドワード・ヴァンヘイレンってあんなあどけない顔して意外とエゴが強いと言われていたことを確信した(笑)。

次に驚いたのが、クワイエット・ライオットのベーシストのオーディションにニッキー・シックスが来たってこと!しかも全然弾けなくて、ランディがチューニングして上げたって(笑)。ニッキーが全然弾けなかったってのは有名な噂だったけど、本当だったのね。でもあそこまでできるようになったんだから頑張ったのね。

私はモトリークルーでニッキーが着てた水玉模様の衣装が衝撃だったんだけど、考えてみればランディ・ローズの影響なんだろうね。昔はこの人達がみんなおんなじサンセット・ストリップの人たちっていうのがピンと来てなかったんだけど、今はなんか想像つくわ。

あと「そっか!」と思ったのは、ランディって生粋のカリフォルニアっ子だったんだな~ってこと。顔がほんっとにカリフォルニアの男の子って感じだもんな~。あの素晴らしいヘアスタイルは、実は「ファラ・フォーセットから綿々と続く、カリフォルニア・ガールのヘアスタイル」だったのね。ガールフレンドのジョディに髪を切ってって頼んだって下りと、ジョディの当時の写真を見て思った。あの頃って、ガールフレンドたちがロックバンドのメイクやヘアもやってたから、自分たちと同じイメージにしたんだろうなあと。

とすると蝶ネクタイと水玉ってアイデアはどっから出てきたんだろう?そこをドキュで掘り下げて欲しかったなあ。

そう考えるとエディ・ヴァンヘイレンのヘアスタイルもファラ・フォーセットだったのね。今アメリカでは80s Blowoutってこの頃のビッグヘアが流行っているので、次のヘアカットではランディの写真を持っていこうと思っている私(笑)。

ヘアスタイルと言えば、この頃のルディ・サーゾの髪型(笑)。全部内巻きにしている!!!ホワイトスネイクのときめっちゃカッコ良かったのに、この頃まだダサいんだよな。でも、ルディ・サーゾっていまでもすっごいカッコいいんだよ!!2022年のクワライのライブ・ヴィデオ観たけど、未だに弾いている姿がカッコいい!72歳よ!!信じられない。

私はルディ・サーゾの回想録 "Off the Rails: Aboard the Crazy Train in the Blizzard of Ozz" を読んでいたので、このドキュから得られた新情報はあんまりなかったし、英語のウィキに書いてあること以上の内容ではなかった。明らかにオジー・オズボーン・バンドからの使用許可出てないよね。だってオジーの曲一個も使われないもん。

インタビューも、ほとんどの人が昔のインタビュー映像で、このドキュのために撮り下ろしたのはルディ・サーゾと、クワライのオリジナル・ドラマーくらい?

あ、ランディのガールフレンド、ジョディは、ルディの本でも良く出てきたんだけど、写真はなかったのでへえ~って思ったし、本人もインタビューに答えてたな。あ!この人元々はボーカルのケヴィン・ダブロウの彼女で、ダブロウはそのこと根に持ってたって話はルディの回想録には書いてなかったぞ。ルディの本は、グルーピーに関する話が全くなくて、ランディもルディも彼女一本で全然遊び人じゃないので、それでなのか、それとも彼女一本ではあるが、それはそれでツアー中はいろいろあったのかわからない。

でもオジーの当時のマネージャーでのちに奥さんになるシャロンが、「No Groupie」ポリシーを持ってたって話なので、本当に乱痴気騒ぎはなかったのか?でもランディってシャロンと寝てるんだよね。だから別に彼女一本でもツアー中にはなんだかんだあるハズなので、やっぱ隠しているのかな?ルディも84年に結婚した奥さんと未だにラブラブなので、当時のことを色々書くわけにはいかないのかも(笑)。

この映画の監督とか、全く情報がなくて、そもそもこのドキュの情報があまりない。オジー側の承諾は得られてないみたいだけど、クワライ側の情報はすごい多いので、ランディにすごく近かった人がこじんまりと作ったドキュなのかな?まあそもそも、オジーにいた頃のランディの資料ってほとんどないんだよね。ライブの映像もテキサスのブートレグみたいのしかなくて、プロモでTV出演したやつが一番いい映像なんじゃないか。それも今ユーチューブで観れるけど、このドキュで使われてないもんね。ウィキでは、レコード会社の倉庫にはランディの録音、録画がたくさん残っていると書いてあったけど・・・。

私は個人的に『メタル・ヘルス』もいいと思わなかったし、日本だけで発売されてたというクワライのファースト/セカンド・アルバムも知らないけど、ドキュでかかっていた曲を聴いても、あれがサンセット・ストリップで大人気のバンドだったってのが信じられないくらい。でも、ファンは15歳とかだったらしいから、まあそんなもんなのかな。

そういえば、クワライのオリジナル・ドラマーが「ファーストとセカンドは最悪。日本人はバンドの写真を見て買っただけ」って豪語していたな。自分たちのヴィジュアルがそんなにいいと思ってるのか、って思った。まあ確かに可愛いけど。

でもオジーと組んでからのランディのダイナミックな楽曲やギターソロを考えると、クワライみたいなちんけなバンドにいたとはとても思えない。とか思ったら、ドキュでヴォーカルのケヴィン・ダブロウがクラシカルな曲とか好きじゃなくて、そういう曲を書いても却下されてたみたいなこと言ってたよね。明らかにクワライが足かせになっていたのだな。ギターソロで、のちのオジーの“Good-bye to Romance”になるフレーズを弾いていたもん。ああいう曲にボーカルつけるキャパがダブロウになくて、楽曲に昇華できなかったのでは。

だってオジーの曲、クワライとレベルが違うもん。今聴いても全部憶えてるし、カッコいい!当時はウォークマン(懐かしい)で電車で聴いてて、何度降りる駅を忘れたことか。どこへ行く時もブリザード・オブ・オズとダイアリー・オブ・ア・マッドマンをA面とB面に入れた90分テープばっかり聴いてた。あのアルバムってさ、良く右から左に音飛ばさない?『クレイジー・トレイン』の「あい、あい、あい、あい・・・・」ってやつとか・・・・。あれ聴いていると覚醒してきちゃうんだよね~。

そんなことはいいとして、ランディがオジーのバンドにいた頃の話と、飛行機事故の話はかなり端折られている。ルディの回想録にはオジーとツアーをしていた頃の話がすっごい克明に描いてあるし、ルディはランディが事故ったフライトに「一緒に行こう!」って言われて断ったくらいなので、そのこともすごい克明に書いてある。しかしウィキにさえこの事故のことは克明に書いてあるので、よっぽどこのドキュはオジー側からの承諾が下りなかったんだろうなあと思う。

でも、事故の写真や、当時の新聞記事は見たことなかったからかなり悲しくなった。惜しいよなあ。でもランディはクラッシックの勉強をしたがっていたから、あの事故で亡くならなくても、契約が切れたらやめるだろうと思ってたって、オジーはインタヴューで語ってたって。契約は、アルバムもう一枚とツアーもう一個だったらしい。あともう一枚オジーと作っていたらどんなすごいものができたのか想像もつかない。

このドキュの情報を探しているとき、ある人の投稿で「ランディは、酒もたしなむ程度、彼女にも忠実で、音楽にも前向き。セックス・ドラッグ・ロッケンローな生活をしていた人じゃないのに、この人が若くして逝ってしまい、浴びるように酒を飲み、ドラッグ漬けだったオジーが未だに生き残っているのはなんたる不条理・・・」と言ってたけど、ホントだよね・・・。
GreenT

GreenT