くりふ

あいつのブラジャーとぼくのパンツのくりふのレビュー・感想・評価

3.0
【ブリーフと“らしさ”】

U-NEXTで出てきた短いパンツコメディ。これは完全に自主映画なのかな?

致し方なくもあるが、子供の棒演技は絶望的。それを避けるため、脚本や演出でうまく誤魔化すものだろうけど…本作は潔いというか、棒で何が悪い!と突っ走っている。

だから子供目線の物語としては没入ムリだが、大人が子供を利用して伝える物語…と捉えれば、よく出来ている。あと、やっぱり男性監督の視線だ。女子は意地悪と優等生の二極で描いたり、定番かなぁと。

身体変化による必然的な女子のブラ問題と、大人のパンツとは?という男子ブリーフ問題は同列じゃないと思うがw、とりあえず本作は“木綿”を仲立ちに、ブラとパンツを最後に、サラリと結びつけていた。

女子側からの問題提起にはなるほどなーと思うも、そこで終わっちゃうから何やら、道徳の授業っぽい。どちらかというと描きやすかったのが、子どもにも染み出している“男らしさ”の問題なのでしょうね。

よく、女子の方が成長が早いなどと聞きますが、欲望を通しつつ自身をガードするのが巧いよね。主人公の少年は見事、利用されてしまうわけだが、棒演技のお陰で深刻そうに見えないから、いいや。www

大人では、母ちゃん役の女優さんが達者だった。まさに“欲望を通しつつ自分をガードするのが巧い”を体現し、イヤな雰囲気はまとわせているが…最後にアノ、満面のドヤ顔が!…笑っちゃいました。

パンツなんて何でもいいのに、それが世界の中心となっちゃうのは確かに、子供の世界か。そこは再現されていても、人間の作った脚本をAI役者が演じるような違和感は、最後まで拭えませんでした。

<2024.4.5記>
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