ピースオブケイク

ファミリアのピースオブケイクのネタバレレビュー・内容・結末

ファミリア(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

やっぱ役所広司はすごいな。陶芸家の役やけど、粘土の捏ね方とか、ろくろを回しながら土の形を整えていく様は、ほんまもんの陶芸家にしか見えない。恐らく、めちゃくちゃ練習しはったんやと思う。知らんけど…。
お話は在日ブラジル人青年のマルコスが半グレ集団のリーダーに言われなき恨みを買って徹底的にいじめられるんだけど、それを役所広司と息子役の吉沢亮が助けようと手を差し伸べてくれる。タチが悪いのは半グレ集団がホンマに悪党で、マルコスたちに悪いことをさせて、警察にも通報できないし、身動きできないようにさせてじわじわと痛ぶっていること。そして最後は虫けらのように簡単に殺してしまう、こんな悪い奴いるかー、観ている人のボルテージをあげまくって、でも、役所広司がそんな巨悪に一人で立ち向かえる訳がないし、どーすんねやろって思ってたら、最後にまさかの漢気で立ち向かう初老の陶芸家!息子夫婦が出張先のアルジェリアでテロに巻き込まれるという不幸もあって吹っ切れたのか、死を覚悟した人ほど怖いものがないということで、たった一人で立ち向かった陶芸家の勝利と言って良いでしょう!でも、何かスッキリしない。日本に働きに来られている外国人の方々は、私たちの身の周りにもたくさんおられ他人事ではないんだけど、在日外国人の方への差別というレベルではなく、もう完全に犯罪やし、息子が難民出身の国の女性と結婚するとか、その2人(実際には奥さんが身重だったから3人)がテロに巻き込まれちゃったとか、ちょっとスケールが大き過ぎて消化し切れなかったっす。もう少しテーマを絞ってわかり易くしてもらいたかったなー。でも、役所さんはいい。大好き。あと、役所広司と吉沢亮がマルコスの恋人に誘われてホームパーティー?に参加するシーン、ほのぼの感があって良かった。