ゆみモン

ファミリアのゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

ファミリア(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

陶器職人として一人山里に暮らす神谷誠治(役所広司)を、仕事でアルジェリアに赴任中の息子・学(吉沢亮)が、婚約者ナディアと共に訪れる。一時帰国した学は、結婚を機に仕事を辞めて陶器職人になるというが、誠治はそれに反対する。
一方、誠治が住む隣町の団地に住む在日ブラジル人青年のマルコスは半グレに追われたときに助けてくれた誠治に亡き父の面影を重ね、焼き物の仕事に興味を持つ。そんな中、アルジェリアに戻った学とナディアをある悲劇が襲う。
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血縁の有無や、国籍などを超えた様々な「家族」の物語が絡み合っていく。
陶器職人・神谷誠治と息子夫婦との交流。近所に住むブラジル人たちの若者やその家族との交流。半グレ集団とブラジル人との理不尽な争い。息子夫婦が遭遇する海外テロ。それぞれの家族にそれぞれの人生がある。 半グレボスにも、妻子をブラジル人の飲酒運転で殺されたという過去があるが、無差別復習は酷すぎる。

何と言っても、役所広司演じる神谷が素晴らしい。何者を演じても素晴らしい役所広司だが、どう見ても陶器職人そのものだ。
(「Perfect Days」も「素晴らしき世界」も良かった)

人質になった息子夫婦を救うために、個人で身代金を持って行こうとするとか、ツッコミどころも多少あったが…。

息子夫婦が亡くなってしまったのは悲しい結末だが、マルコスとその恋人が陶芸を手伝う最後から、新しい家族が生まれる希望が感じられた。