ねむろう

ソウル・オブ・ワインのねむろうのレビュー・感想・評価

ソウル・オブ・ワイン(2019年製作の映画)
3.0
2023新作_124


それは、”時間”という名の一滴――。


【簡単なあらすじ】
ロマネ=コンティをはじめとする世界最高峰のワインを生み出すワイン愛好家の聖地、フランス、ブルゴーニュ地方。1年を通じて、農薬や除草剤を使わず、自然のままの有機農法やビオディナミ農法でワイン造りに取り組み、名だたる畑を守り受け継いできた生産者たちの、普段は見ることのできない貴重な舞台裏に密着。生産者から樽職人、ソムリエまでワイン界を代表する一流のスペシャリストたちが、その香り高く味わい深い世界の導き手となり、最後はワイン好きをもハッと震わせる境地にまでたどり着く。



【ここがいいね!】
非常に静かで緊張感がある作品だったと思います。
もちろん、その静かさや緊張感はワイン自体の製造の中で非常に重要な要素なのだろうと思います。1つか2つのシャトーの1年間を追いかけて、新しくブドウの実がなるところから収穫、そして発酵というところまでの過程をじっくりと見せてくれる映画でした。
その中で、何人かのソムリエだったり、醸造元だったりという人のコメントが入りながら、どれだけワインというものが一筋縄ではいかない繊細なものであるのかというところが説明をされていきます。そんな中で語られる、その人たちの言葉が、ワイン自体の広がりや深さ、繊細さというものを表しているのかなというふうに思いました。



【ここがう~ん……(私の勉強不足)】
『チージンバブエのソムリエたち』(2022)という映画を4月ごろに観ましたけれども、その中でも感じていた「私が今観ている作品で作られているワインは、どれだけワインの世界の中で重要なものであるのか」というところの説明や、それを感じられるようなところが少なく、分かりづらかったとは思います。もちろん、多岐にわたるワインの世界の中でどれだけのものであるのか、というところを感じるのは非常に難しいところではあります。しかし、そのあたりがちょっとでもわかる作りになってると良かったかなとも思います。
また、この作品にはナレーションが全くありません。それによって、今観ている映像の中に出てくるものや、人に注目をさせる効果が効いていました。



【ざっくり感想】
ひとつのワインというものを作るために、どれだけの手間や時間をかけることが重要であるのか、というところが描かれた作品でした。
私はワインを飲まないのですが、他のお酒や、お酒に限らずあらゆるものにとって、時間と手間暇をかけることが重要であるのだというところの証明としての映画にも見えました。
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