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オオカミ狩りのTSのレビュー・感想・評価

オオカミ狩り(2022年製作の映画)
2.7
【何人死ぬねん】62点
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監督:キム・ホンソン
製作国:韓国
ジャンル:アクション
収録時間:122分
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 かなり評価の高い今作なので非常に申し上げ辛いのですが、自分には合いませんでした。というよりかは、思っていたものとは全然違ったというところでしょうか。賛よりの作品だとは思いますが、中には自分と似た意見をお持ちの人もいたので少しホッとしました。言ってしまえば、今作に何を求めているかによって印象は変わってしまうことでしょう。あらすじだけ読めば「船版コンエアー」かと思ってしまいます。正義を掲げた警察が、収容していた囚人たちと血みどろの戦いを繰り広げる、、多くの人はその展開を期待するでしょう。ある意味前半は筋書き通りに進んでいくのでよかった。しかし、中盤から現れたアレによって作品の雰囲気は良くも悪くもかき混ぜられてしまうのです。。

 フィリピンのマニラでは、犯罪者達を乗せたタイタン号が釜山に向けて出発しようとしていた。凶悪犯罪者を取り締まってきたベテラン刑事たちが担当していたので大丈夫かに思えたが。。

 最初から不穏な雰囲気。コンエアーの飛行機と同じように船もほぼ逃げ場がないので、囚人が解放されて暴れたりでもしたら命はありません。細心の注意をはらっていたはずなのに起きてしまう惨劇。なるほど、やはりこういう攻防戦かと察知し、夢中になってしまいます。
 …のはずでしたが、色んな意味でその予想は裏切られます。まず評価できるところを言うと、パニック映画の王道展開を全く無視したものになっているということ。こいつは生き残るだろう、こいつは早く死ぬだろう、というプロットは今作には通用しない。確かに思えばこういう事件がもし起きた時、誰もが等しく死亡する確率を持ち備えています。主人公だから、主人公の恋人だから、だとかそういうのはあくまで作品の設定であり、このあたりはリアリティを感じます。そして、無視してるが故にお構いなく人が死んでいきます。次から次へと新キャラが出てくるため、もはや今作の登場人物の名前を覚えるのは無意味。見方を変えると爽快なほど、非常にテンポが良い状態で犯罪行為が進んでいってしまいます。

 まあこれは良い要素だと思います。『コンエアー』と差別化できていますので、このプロットで最後までいってくれたら、自分の中でも80点以上はあったことでしょう。最たる問題は中盤からのアレの登場です。いやあ、、嫌いではないですが今、この作品に求めている存在ではありませんでした。滅茶苦茶強いから結局型破りのこのプロットはそれに継承されてはいくのですが。。

 血飛沫の量も凄まじい。他の方も言及していますが『哭悲』を彷彿してしまうほど。しかし、完全に180度変わってしまう展開に自分はついていけませんでしたし、何よりも受け入れられなかったです。正直もう後半はどうでも良かったので、早く終わらないかなあと思ってしまってたくらい。

 なので、アクションやスプラッタ表現などは十分佳作の域に達しているとは思いますが、自分が思っていたものと全く違った、そしてそれが受け入れられなかった、という我儘な意見で低評価とさせていただきました。大体の方は恐らく高評価だと思いますので今回の意見はあまり気にしないでください。

ps.感想書いてからジャケをみたら、、ちゃんと下にネタバレされてますやん笑 となれば見ていなかった自分が悪いか。。笑
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