『エリン・ブロコビッチ』『トラフィック』公開の前年、ソダーバーグが映画界に名を轟かせる直前の地味?作品。
とは言えソダーバーグ味満載、テレンス・スタンプとピーター・フォンダ(!)がガッツリ堪能できるなかなかな一本。
冒頭から時系列が前後する激しいカットバックで、すんなりストーリーを見せてくれない。
そのうち、訳ありげな初老の主人公が、自身の服役中に事故死した娘の真相を知るためイギリスからLAへやってきたとわかってくる。
娘の恋人だった大物音楽プロデューサーの存在、麻薬取引の資金洗浄とそれを追う捜査官も絡んで、ずっときな臭いまま話は進む。
大きな盛り上がりはないものの、飽きずに見続けてしまうのはやっぱりソダーバーグの上手さとスタンプの魅力。わずかな表情の変化も見逃せないし、過去作を惜しみなく挟み込んでいるのも楽しい。(ケン・ローチ監督『夜空に星のあるように』(1967)からのシーンが使われているらしい。観たい。)
ホロリとさせる父と娘のエピソードもあるにはあるが、全体的にカラリと乾いているのがいい。
サラッと楽しいから胃もたれ気味の時にいいかも。
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演技コーチ役レスリー・アン・ウォーレンは『刑事コロンボ』episode31「5時30分の目撃者」の被害者。精神不安定な患者役だったから、今回のシュッとしたイメージと違い過ぎてわからなかった!