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イギリスから来た男のrebのレビュー・感想・評価

イギリスから来た男(1999年製作の映画)
3.9
出所した初老のイギリス人男性が、娘の交通事故死の真相を知るためにアメリカに渡る。
娘の死の原因がつき合っていた男にあるとふんだ父は復讐を誓う。
娘の復讐に命をかける父親像というものは、それだけでもうテンションが爆上がりしてしまうものだが、今回のテレンス・スタンプは
もう老境に差し掛かっており、犯罪を重ねてきたという変な余裕と貫禄だけはあるが、結構弱っちい。
おまけに、ピーター・フォンダ演じるその男と娘は愛し合っていたらしいので、父親としては気持ちの上で、なんともややこしい。
スタイリッシュな撮影技法が話題の本作だが、なんと言ってもテレンスの若い時の映像に、あのケン・ローチ監督のデビュー作「夜空に星のあるように」を使っているのが、あまりにもあいすぎていてなんとも泣ける。
まさにこの映画でも、テレンスは強盗事件で逮捕されてしまうのだ。
自分の過去の行いが、娘を死に追いやってしまったと知った父の絶望。
ひとりイギリスへと帰るしかない。
あぁ切ないのう。
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