こつぶライダー

あの頃輝いていたけれどのこつぶライダーのレビュー・感想・評価

あの頃輝いていたけれど(2022年製作の映画)
4.5
"人生で本当に大切なものとは?"

とても感動しました!!!

ベタな展開ではあったが、バディもの好き・音楽好き・人間愛に溢れていたので、最高でした!!!

かつて一世を風靡したアイドルグループの一員だったヴィンス。今では落ちぶれたストリートミュージシャン。
彼が自閉症のドラマー、スティービーと出逢い、コンビを組んでバンド演奏を始める。

自閉症のスティービー。ドラム演奏が好きなのは重々承知ながら「人前で歓声を浴びて大丈夫?」と心配するシングルマザーのアンバーの気持ちも痛いほど分かる。

ヴィンスは、スティービーの才能に惚れ込んだのもあるが、彼が自閉症という理由で日の目を見ないでいる不遇さを気の毒に思い、母親と対立。アンバーは彼が息子を利用しているのでは?とも感じて疑心暗鬼。

なんつーか、ヴィンスは不器用だけど人間想いなんだよな、、、

と思っていたら、実は昔、仲の良かった弟を病気で亡くしていた。
しかも、ツアーから誕生日までには必ず戻るという約束を果たせなかった後悔を抱えていたのだった。

弟とスティービーが重なるあたり、長年生きてるとそういうこともあるよなって感じた。
ヴィンスとスティービーの会話で「チャンスは普通1度しか来ない。2度目の今回を逃したら3度目は有り得ない。だから掴まないと」というのがあった。

スティービーとしては、ツアーに出て再び有名になるチャンスが訪れたヴィンスの背中を押し後押しするつもりで言ったのだろう。
ただ、本当にヴィンスが得たかったものは、決して有名になることなんかじゃなかったのだろうね。
本気で自分を認めてくれて、自分のやりたい音楽を一緒にやれる仲間が欲しかったんだと思う。
それに、自分の利益のために友人との約束を破るのは二度としたくなかったんだろうね。

ヴィンスという人間が上手くいって、本当に嬉しかった。
それから、彼が刺激を与えたスティービー含め支援受けてる方々、またアンバーなんかも、彼との出逢いで輝いた姿を見せていて、なんか涙が出たなあ。

そこまで説明が長くないし、ラストなんかどうやって自宅にあったドラムセット運び出したのかとか分からなかったけど、ほとんどが彼らがハッピーになる道筋で出来たお話で安心して楽しめました。
久しぶりに心が暖かくなりました!
こつぶライダー

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