まぁびっくり

王は踊るのまぁびっくりのレビュー・感想・評価

王は踊る(2000年製作の映画)
4.0
 国王と踊った事実が、ステップを踏んだ足こそが、リュリにとって何よりも誇りなのだと思った。モリエールを切り捨てるのも、イタリア人であることを宮廷で馬鹿にされ続けていたのにフランス音楽の主流であるバレエからイタリア音楽のスタンダードであるオペラへの回帰するのも、すべてルイ14世の変化によるものだと思うと、リュリにとって大切なものが何だったのかというものがわかる。
 小姓のくだりや姪のことを踏まえて、マドレーヌは尽くす嫁だなと思ったし、個人的には見どころの一つだった。

 マザランの死、フロンドの乱、モリエールなど世界史で習った単語がたくさん出てくるのを見ると、改めてただの暗記ではなく本当の意味で「歴史を学ぶ」ことの重要性を感じた。歴史がわかるのとわからないのだと歴史を題材にした創作物の理解にも差が出ると思う。歴史を勉強しなくちゃいけないなと思った。

 そういえば虫の音を「声」と認識するのは日本人とポリネシア人のみだという話を聞いたことがあるが、野営地の寝所ですごく虫が泣いているのはBGMの一貫ということでいいのか、それとも意図せず入ったものなのか、と思った。リュリの奏でる音楽プラス虫の奏でる音楽。
まぁびっくり

まぁびっくり