ジャンク

運命の扉のジャンクのネタバレレビュー・内容・結末

運命の扉(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

作りが丁寧で編集や伏線の張り方が上手い。
序盤13分の、婚約者違いの演出にはすっかり騙された。
ふられて落ち込むマーゴットとポケットに婚約指輪を入れたグリフィンの出会いが最高。

随所に「運命」を感じさせる偶然が描写される。
・違う地区で同じ住所。(15 Maple Drive, NorwoodとWestwood)
・同じ場所(植木鉢の下)にカギ。
・キッチンに『ティファニーで朝食を』のポスター。
・マーゴットにグリフィン(空想動物)の入れ墨。
・最後には偶然同じ店で再会(老夫婦と同じように椅子にかかるピンクコート)

また運命というだけでなく映画の趣味が合っていて価値観が似ているのも示唆されている。
『ティファニーで朝食を』以外にも『氷の微笑』『白と黒のナイフ』『裏窓』。
自分はそこそこ映画好きだが『氷の微笑』しか見てないので全部見てるのは相当合ってるはず。
両親や老婦人と同じ運命の二人はこれからも幸せに暮らすだろう。


気になる点が少し。

コミカルに描いているとはいえ、女性が帰宅した時に見知らぬ男性が裸でベッドで寝ているというのはかなり恐怖では。
(『水曜日のダウンタウン』で同じような「説」があったが)

登場人物は皆欠点がありながらも憎めないキャラクターばかりで恋敵(既存のパートナー)ですら悪人ではなく少し嫌なヤツ程度。
それだけに最後に大勢の前でハッキリふられて恥をかく展開はスカッとするどころかむしろ気の毒にすら感じた。
上手いと感じた脚本だからこそ後味良く終わって欲しかった。
惜しい。
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