パリタクシーの甲越のレビュー・感想・評価

壮絶な過去を回想していくとき、誰か話しを聞いてくれる人がいた方がいい。相手は要領は良くなくても、他人の痛みや悲しみがわかる人がいい。そして思い出の場所を巡る旅がいい。これらをひっくるめると、老婦人と訳ありタクシードライバーという絶妙な設定がとても良い。マドレーヌは壮絶な人生を淡々と語っていくが、大切な思い出についてはとてもキュートにシャルルに話しかけていく。そのことでシャルルは忘れかけていた大切なことに気づかされていく。しみじみとした人生賛歌の映画だと思う。