Ryoma

パリタクシーのRyomaのレビュー・感想・評価

パリタクシー(2022年製作の映画)
4.4
しがない男性タクシー運転手と92歳の乗客女性の交流を描いた本作。波瀾万丈で様々なことを経験し老成した彼女から語られる言葉の一つ一つはどんな優秀な教師や敬虔な神父の教示よりもすっと胸に届いてくる。フェミニズムや男性優位社会など、現代に通ずる社会的課題も提起しつつ、年齢や境遇も異なる2人の一種のロードムービーとしてもとても楽しめ、バランスが絶妙だった。少しぶっきらぼうな男性タクシー運転手とユーモア溢れる女性が互いに悩みや思いを吐露する中で絆が深まる様子が良かったし、パリ🇫🇷の朝〜夜にかけて移り変わる表情や凱旋門・エッフェル塔などの名所もたくさん垣間見れて良かった。人生楽しいことばかりじゃなく辛いことや苦しいこともたくさんあってむしろそっちの方が多いのかもしれないけれども、それでも楽しいことやかけがえのない出逢いなど、素敵な思いもそれ以上に経験することができるんだと信じたくなる爽やかで感動的なエンディングだった◎
後悔をしないと心に誓うことは幾らでもできるけれど、情報過多で多忙を極めるこのご時世。どうしても忘れがちになってしまうもの。せめて悔いの残らないように生きようと頭の片隅でも留めておくことが大事なんだろうな。
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