試写会にて鑑賞。
A24製作、LGBTQをテーマにした作品。
海兵隊の過酷な状況と、複雑な親子関係、親子の微妙な距離感を、「ムーンライト」を彷彿とさせるような、A24らしいテンションのずっしりとしたドラマに仕上げていて、見応えがあった。また、アニマルコレクティブが音楽を担当しており、妄想と現実の狭間の表現のシーンなど、とてもフィットしていた。
監督自身の経験を基にしたという、私的な話でもあり、広く社会の問題でもある内容。
原題のInspectionとは検閲のこと。
何かの基準や規定と照らし合わせて合っているかどうか、調べること。
ありえない過酷な海軍の訓練期間。ここを生き抜く厳しさにヒリヒリさせるられる。
また、母は厳格なキリスト教徒で保守派、息子の同性愛を受け入れられず、治せるものと思っている。その基準や規定がそうさせていて、この関係性の厳しさにもヒリヒリとさせられる。
母との関係を諦めず、自分を諦めない、ここで生きていくという強い意志を感じた。
