rmhチョコがけ

インスペクション ここで生きるのrmhチョコがけのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

切な…
全ては母から認めてもらうため。
監督の実体験に基づくこの作品こそ、母に認めてもらうために製作したのに…

最後の最後まで、容赦なく受け入れようとしない母。
監督の実母はこの作品の製作中に亡くなったようだ。
結局作中でも実際でも、母との関係は変えられなかったわけかぁ…
切な過ぎる。

作品自体は、なんか中途半端だったかな。
A24にしては映像もそこまで凝ってなかったし、形だけめちゃくちゃカッコよくもしてなかった。
音楽の使い方も特段変わったとこもなかったし、普通って感じ。

展開もわりとチンタラチンタラしてた。
ゲイの教官がめちゃ良いやつで、予告編で使われてる決め台詞は全部彼のなんだが、なんかそれも小分けにしちゃってるから、ぐっと観客の心を持ってけない弱さがあった。
いや、ほんと良いやつなんだけどね。終盤の己の欲望を封じてあくまでもマリーンの教官に徹したシャワーシーン、カッコよかった。

あとは、意地悪してくる班長が見事に白人で、これは性的指向による差別問題じゃなく、人種や宗教による分断社会アメリカを描いているんだとは分かるんだけど、なんか薄っぺらいんだよねー…
ふーんって感じで終わっちゃう描き方なのが惜しい。

他にも"インスペクション"ってタイトルも、"銃点検"って確か字幕で出てて、うーんそれにまつわるエピソードも特に描かれるわけでもなく…いまいち。

ジェレミー・ホープさんが可愛かったで賞って感じの作品だった。