kazuo

インスペクション ここで生きるのkazuoのレビュー・感想・評価

3.4
ゲイ故に、母に見捨てられ16歳から10年間ホームレスだった主人公エリスが、アイディンティティを求め海兵隊に入隊し様々な苦難に立ち向かう姿を描いた、監督の半生を元にした作品。

実話ベースなので母親の振る舞いやその母親に対する感情はかなりリアルなものと思われるが、その中で興味深かったのはエリスの母親に愛されたいと思う気持ち。
ゲイであるというだけで捨てられ16歳から10年間ホームレスの暮らしをせざる得ない状況に追い詰め、まるで存在を認めない母親。そんな母親の愛を求めるなど自分には理解し難い。しかしそれは自分が親の愛に恵まれていたから。エリスは母親を愛している。なぜ愛せるかわからないが愛している。愛する者に愛されたいのは自然の摂理。
だから海兵隊に入隊することでアイデンティティを確立するのではなく、それにより母親に息子としての承認、愛されることをエリスは望んだのだろう。
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