鎖園

隠し妻の鎖園のネタバレレビュー・内容・結末

隠し妻(1972年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

号外/

OPに挿る土着的民謡や『新宿ドラキュラ』内で観受けられる複数の扉



神代辰巳や大和屋竺へのオマージュを感じられる


魚=田舎臭さ

薔薇=都会のドロドロ

を軸に

フォークソングを「上京したての青臭さ」として劇伴することにより

憧れのスターの『妻』として獲得するも「浮気」によってその存在が【あやふや】になろうとも健気に生きる女性を可愛げに描く


特に先ほども触れた『新宿ドラキュラ』内における絵巻が秀逸・・

主人公/映画のまるでちゃぶ台をひっくり返すような主人公の豹変/映画内混濁:相関時系短縮/辻褄縫合を一挙にやって魅せることが出来る・・・

これが小沼マジックだ


オカルト(フィクション)内における主人公のSEXへの『憧れ』の深層迷宮へと誘いスターと浮気するホステスとの密談でさりげなくスターのオプション関係を説明、主人公とスターとが出会うよう描かれているスーパーでの「芸能人がそんなとこ来るワケがない」という辻褄に対する安易さが残る描写を忘れさせてしまうくらい

素晴らしい魔法だ

その前段で新宿歩行者天国で昔のカレと出会うが逃げ

薔薇(ドロドロ)の中で悶絶し喘ぐ主人公

を魅ると

彼女のこの段落における「覚悟」をより鋭く感じられる


たまに出てくるエレベーター表示が全くもって裏方さん手動なのもウケる。
鎖園

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