にゃんにゃん

隠し妻のにゃんにゃんのレビュー・感想・評価

隠し妻(1972年製作の映画)
3.3
熱を出したり色々あってご無沙汰して、やっとの2024初映画。にきびだらけな片桐夕子が純朴東北女子高生で、夏祭りで彼氏とわたあめ食べるというエモすぎるオープニング。ちょいちょい流れるベタベタな「学生妻しのび泣き」のテーマでつい笑う。片桐夕子が連れて来られる謎の新宿地下喫茶「ドラキュラ」が怖すぎて、恐怖で泣き喚く片桐夕子、シュールでよくわかんなさすぎるけどこれもSM表現のうちなのかしら。いかにも小沼っぽい象徴的表現もちらほら。吉田潔の部屋がシャレオツすぎて80年代アルモドバル。部屋の中にハンモックついててベランダにはバラですよ。あんな部屋住みたい〜。隠し妻化しても幸せそうな片桐夕子、でもなんだかんだで情緒不安定で嫉妬に狂うとすぐ妙なこと考えちゃうとことかもういとおしすぎて。なんでこんな男に惚れたのかなー、なんでこんな女を振り切れないのかなーってのはいまいちよくわからないながら、そこは片桐夕子だからしょうがないよねと思う謎の説得力、オチの付け方が説明的なのはいまいちではあったけれども、昭和レトロでささやかな愛を味わうにはちょうどいい作品だった。
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