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マガディーラ 勇者転生 <完全版>のspitfireのレビュー・感想・評価

4.3
マガディーラは以前に見ていましたが、完全版は初視聴。バーフバリ完全版と同様に、完全版というかテルグ語オリジナル版ですので、本国ではこれを見ていたんだなーという気持ちで見ました。言うて完全版で増えたのがダンスシーンぐらいしかわかりませんでしたが、増えてた現世のダンスシーンがめっちゃハッピーなので取り敢えずヨシ!

インド映画を何本か見たあとでも、現代パートのテンションの高さやヴァイブスの狂いは強烈なものがあります。ハイなラブコメ展開と血腥い暴力描写とで高速反復横とびをしてるような印象でした。ハルシャがチンピラをマジトーンでボコボコにしてるの見てインドゥがベタ惚れとか、よくあれが通るな…という感じ。
過去パート入ると比較的真っ当な歴史ファンタジーになるんですが、こちらはこちらで豪華絢爛かつパワフル。前世の因縁をしっかり刻み込んで現代パートに戻り…ここでまた信じがたい描写が連発される。前世バフがあるなら前世デバフも当然ある、それはそうだが…そしてソロモン自由すぎるでしょ。
書割みたいなCGとか諸々の強引さも含めぼちぼち荒っぽいんですが、慣れると退屈するところもなく賑やかなインド娯楽映画でいいなーと思えてきます。さんざん無茶苦茶やったはずなのに視聴後はあまりにもスッキリとしていて健康的、これがラージャマウリ節なのか…

RRRから振り返って見るに、ラーム・チャランがスーパーイケメン。プレイボーイ仕草にダンスにアクションにと見事に捌き切っていてお見事。本作は彼のイケメンっぷりを堪能する映画でもありますね。
そしてラーム・チャランと父"メガスター"チランジーヴィの共演作であることを把握してから見たので、前に見たときよりも理解が深まったように思います。冒頭のダンスシーンはチランジーヴィ出演作と同じ曲で踊るオマージュ。youtubeにチランジーヴィ出演作の方の動画がありますので興味ある人は是非。メガスターが謎パワーで若返り謎フラッシュまで放つのは、ただバイブスが狂ってるだけではなくスペシャルなサービスカットなんですね。カフェで名前を聞かれたハルシャが咄嗟にチランジーヴィを名乗るのも、そういうギャグだったと分かります。

あと思い至ったのが「正体を隠してアプローチする」「正体を知らずに惹かれ合う」のがラージャマウリ監督お好きなんだろうなということです。バーフバリでもRRRでもこの要素があったので、次はマッキーを見て確認してみたいなー、と次の計画を立てて感想の締め括りとします。
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