ぴよまろ

大名倒産のぴよまろのレビュー・感想・評価

大名倒産(2023年製作の映画)
1.6
浅田次郎原作小説の映画化作品。
江戸幕府後期の越後丹生山藩(架空)を舞台に、藩として莫大な借金を抱えた状態で藩主に就くことになった若き主人公が、計画的な倒産に向けて奔走する物語。

小日向文世さん演じる鮭役人の、塩引鮭作りから始まるオープニングはかなり素敵。黙々と鮭を捌く姿が職人感があって素晴らしい。これは職人的な藩の役人たちの硬派な作品・・・という印象からかけ離れた、コメディ時代劇でした笑。

主演の神木隆之介さんをはじめ、かなり豪華かつ実力ある役者が揃っており、その演技はさすがなのですが、いかんせん物語としてのつじつまと、コメディとしても古すぎる演出が気になりました。ヒロインのさよ(映画オリジナル)の立ち位置は何?結局全部先代藩主の手の平?なんで家臣たちが味方についた?最後の軍艦はなんで大砲を?いくらコメディでも食傷する早回しの連続やアイリスアウト(ドラえもんのオチによくある「トホホ、こりごりだよ〜」みたいな画面を丸く閉じるヤツ)などなど。そもそも、倒産というよりも切腹をするかしないかの話になっているので、どちらかというと「切腹大名」です。

「武士の家計簿」「超高速参勤交代」「殿、利息でござる」系の「一見コメディだけど、実はしっかり歴史ドラマをしている映画」を期待すると、かなり肩透かしをくらう作品でした。ただ、この物語でもしっかり仕事をした出演陣は素晴らしいです。
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