たわらさん

アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスターのたわらさんのレビュー・感想・評価

4.3
3D上映はフィルターが光量をカットしてしまい、画面が暗くて何が起きているのかすら判別しにくい体験があったので良い印象が無かったのですが、2022年版の『アバター』は光量のカット率も少なく壮大な自然やSFへと没入することができました。メガネや劇場が良かったのか分かりませんが、09年から11年辺りで異様に流行っていた3Dはなんだったんでしょうね。

物語自体は王道であるものの、物語を補填する世界観の構築が凄まじい。不気味な動植物、幻想的な大自然で形作る惑星パンドラの目に入るものが悍ましくも美しく、異界の地に踏み入れた疑似体験ができる。トリップ体験が優れた作品を映画にするのなら、キャメロンが作る作品は極上の映画といえよう。同時に徹底された背景描写を終始描き切った費用も計り知れず、「何円掛けたんだ…キャメロン…」という思いも。

異世界であるためアクションは控え目でテーマ性に追求した展開だと予想しつつも、人類側が持ち込んだ兵器によりキャメロンの過去作の中で歴代最大の火力を放っており、集大成っぷりが窺える。

その行動は無いだろ、と思いつつも展開をスムーズにするために度々キャラクターの知能指数が下がる。どうしても主人公周りのご都合展開は引っかってしまい、橋渡しという貴重な役割をそんざいに扱われているよう。大事なところで通訳してもらうなよ、ジェイクよ…。
たわらさん

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