乙郎さん

さすらいのボンボンキャンディの乙郎さんのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

なんかね、単純に好きなんですよ。中年に差し掛かった人々のドラマなきドラマ。
路地裏で、野球場で一升瓶を出して飲み始める女、それだけでドラマに引き込まれる。なぜか、私たちの心の中にも仁絵がいるからだ。その後、別に彼女がアルコール依存で目に見えるように持ち崩すわけじゃないし、お互いのパートナーと修羅場になるわけでもない。人生の中の死角に入り込んだような映画。
終盤、仁絵の旦那が登場した時の安心感はなんだろう。この映画で描かれてきた不貞のシーンは、やはり死の匂いがしたのかもしれず、旦那は生を担っているとのことなのか。何かここまで仁絵の道ならぬ描写を見てきたけど、この旦那ならお似合いかもしれないと思ったんだよね。
思えば、この生命感が希薄な女主人公、極めてサトウトシキ的だ。
乙郎さん

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