土偶

善き生徒たちの土偶のレビュー・感想・評価

善き生徒たち(2021年製作の映画)
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1970年代、ローマのカトリック系男子校の生徒たち3人がが引き起こしたミソジニーにも見える実際の強姦殺人事件をモチーフにした原作の映画化。
曰くがんじがらめな社会からの自由を手に入れた最初の世代にあたる優等生な語り手のエドゥアルド(原作者を投影している)。女の子とデートもするし、タバコも酒も口にし性的な関係にも興味はある。彼のダブルデートの描写に並行して3人組のデートからの監禁殺人を描いて、同じ高校生たちでどう転べば殺人に至るのか…。
事件の発覚から時間を半年前から遡り、学校生活や中流階級の比較的豊かな家庭の生徒たちの家庭環境をかなりの時間を割いて見せてくれる。(短髪=ムショ暮らし?のアンドレアだけはかなり唐突な感じだったが)

語り手と殺人者たちだけでなく相当数の同級生と家族たちが登場するので、兄弟関係が分かりにくくなったり、この人誰の母親なんだ?とキャスト表見直したり、登場人物の多さには少々ついていけなくなる恐れあり。(父兄役には有名どころも出てるけど)

この時代、カトリックに縛られていた価値観から解放される父兄の姿が描かれているのも必見かも。犯罪映画ジャンルでありながら青春映画にもなると思うが、家族がわんさかキャラクター設定されてるのはお国柄なのかしら。

でもって、ある年代以上の日本の人には、この映画で思い出されるのは桶川の事件じゃないだろうか。
このような犯罪…体験をした人には正直映画をおすすめはしたくない描写が続く。それを踏まえての感想。
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