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フィリピンパブ嬢の社会学のtakaoriのレビュー・感想・評価

フィリピンパブ嬢の社会学(2023年製作の映画)
3.4
2023年305本目
劇場113本目

ご当地での先行上映なので、現時点でこの映画をレビューしている人は愛知県在住のはず。舞台挨拶付きは残念ながら時間が合わず見られなかったが、劇場ではサイン会をしている様子が見られた。
基本的に予告編で見せた通りの内容で、作品のトーンとしては甘口のラブコメなので、フィリピンパブの闇に深く切り込むような内容ではない。「ヤクザ」の津田寛治含め、登場人物がみんな優しくて気のいい人たちなので、マンガにありがちなオタクっぽい男とミステリアスな女性のコメディに仕上がっている。
映画の冒頭では、夫にDVを受けていたり、お客さんの子どもを妊娠したりといった、搾取の被害に遭う女性の苦しみも多少描かれるのだが、作品のトーンがそもそもフィリピンパブの存在に対して肯定的なので、そうした問題が掘り下げられていないのは残念。「社会学」と銘打つなら、もう少しフィリピン女性と日本社会の関係を俯瞰的に見る視点も必要ではないか。
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