伍代圭佑

フィリピンパブ嬢の社会学の伍代圭佑のネタバレレビュー・内容・結末

フィリピンパブ嬢の社会学(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

白羽弥仁監督『フィリピンパブ嬢の社会学』

修士論文のための調査がこうじてフィリピンパブ嬢と結婚するに至った人の実話。

主人公のおデブな大学院生のキャラがなんともよい。
ドーナツ屋さんのバイトで稼いだ金をパブ通いにつぎ込み始めるが、ワンセット6000円の勘定書きに代金を挟んでボーイに渡すしぐさもすぐに板についてくる。
またカラオケがけっこう上手いところも可笑しい。
それでも貧乏学生なので、お店でキャンペーンのビンゴ大会があってもパブ嬢にカードを買ってあげられず「ごめんね」と謝る。

偽装結婚でビザを手に入れ日本にきて、契約期間が済むまで月々6万円の給料でフィリピンパブで働く女性の実態を知り義憤にかられる主人公に、当のパブ嬢は「そんなの承知のうえでやっているのだ。私は強い。見くびらないで」と切り返す。
なかなか男前なパブ嬢です。

パブ嬢がフィリピンに帰国すると、どういう知り合いなのか、大勢が行列をつくっておみやげを受け取る。お土産といってもコンビニで買ったカップ麺とお菓子なのだが。また親や妹にせがまれてパブ嬢は気前よく有り金を渡してやる。パブ嬢の父母も、主人公を大歓迎してくれる。とにかくフィリピンの家族はフレンドリー。
かたや日本の主人公の親御さんは、大学院に通っている息子が突然フィリピン女性を連れてきたものだから、父親は困惑。お母さんなどは露骨に敵意に近い態度で接する。
もちろん、どちらのほうがど
う、という話ではない。

そして主人公は、フィリピンパブの背後にいるヤクザと対決することになる。
実は相当腹のすわった人物なのであった。

映画鑑賞の当然のマナーだが、この映画では特にエンドクレジットが上がりきるまで待つようお勧めします。
伍代圭佑

伍代圭佑