くまちゃん

LOU ルーのくまちゃんのレビュー・感想・評価

LOU ルー(2022年製作の映画)
3.3
内容や設定はありがちで平凡。
「ボーンシリーズ」「96時間」「スパイ・レジェンド」「イコライザー」「ロックアウト」
元CIAという肩書に限定しても、枚挙に暇がなく、元〇〇の幅を広げれば「コマンドー」や「ランボー」に行き着く。
老人にフォーカスしたもので言えば「RED」が該当し、犬というワードは「ジョン・ウィック」を彷彿とさせる。

ハンナ親子がなぜここに居住しているのか、夫はどうしたのか、ルーの過去には何があったのか、散りばめられたわずかな謎が物語の推進力を補助し、アリソン・ジャネイとジャニー・スモレット・ベルの名演がある程度の質を担保している。

今作において、元CIAがおっさんではなく老婆である事はオリジナリティがあり、アリソン・ジャネイの60歳過ぎての体当たりアクションは評価できる。
ただ、カット割り少なめの編集なため、肘打ちや蹴りなど、正確性と力強さを求められる技の数々が鈍重で、迫力に欠ける。丁寧に狙って当てようとしているようにさえ見えてしまう。
ここは役者のポテンシャルに応じた演出や編集が必要だろう。
また、早々と怪我を負わせることで激しい動きをしなくて済む理由付けが行われていることにもったいなさを感じた。
もっと老婆の激しいバトルが見たかった。

ラストのルーの安否に関しても想像を超えるものではなく残念。

時代とともに女性がダイナミックなアクションを演じる作品が増加している。
好例てしてシャーリーズ・セロンがあげられる。

しかしアクション映画は低予算でも身体一つと編集技術があれば制作できるため大小合わせて飽和状態となっている。
類似作品のテンプレを打破し、今作の魅力を底上げするにはもう一つ独創的な何かが必要に思う。
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