樺太柳葉魚

近江商人、走る!の樺太柳葉魚のネタバレレビュー・内容・結末

近江商人、走る!(2022年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

予告編だとコミカルな印象だったのですが、実際に観たら導入部から悲しい。シビア。お奉行が絵に描いたような極悪人のクソ野郎。仕事人に頼んで始末してやりたくなりました。主人公の銀次は物静かで、どちらかと言えば控え目な男。でも頭の回転が早く、機転も利き、情に厚い。ナイスガイです。銀次と一緒に奉公している蔵之介も温和で静かなタイプ。似たような二人ですが、境遇が違う。蔵之介の父ちゃんがこれまた嫌な奴。クソ奉行とクソ商人が組んで悪さをするという、ありがちと言えばありがちですが、これがまた腹の立つ。蔵之介はクソ父ちゃんに振り回され、ずっと暗い顔してる。誰か気付いてあげて!結構追い詰められちゃってるよ!蔵之介に感情移入してたせいか、銀次が力になってくれた瞬間、ボロクソ泣いてしまいました。まさか、こんなに泣く映画だと思わなかった。途中キャバクラ茶屋的なのが出てきて、ちょっと笑ったりしましたけど。でもお色気で客を引き寄せる茶屋って実際にありましたよね。それに対抗して老舗茶屋のお仙ちゃんがアイドル化してるのも面白かった。江戸時代にあんなアイドルいるわけない、とか批判されそうですが、でも居たかもしれない。日本人って結構ああいう感じ好きそうだもの。茶茶茶が耳に残って消えません。藤岡弘、がドーン!と現れた時の頼もしさ。クソ奉行を成敗してくれて、安心してボロ泣きしました。
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