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桜色の風が咲くのとぅとぅとぅのレビュー・感想・評価

桜色の風が咲く(2022年製作の映画)
4.1
お母さんの苦悩、お父さんの苦悩、お兄ちゃんたちの苦悩、そして本人の苦悩、みんな違って、それぞれ乗り越えようとして。でも、また、苦悩はやって来て。

でも、人は誰かの支えがないと生きていけないらしい、って知ると、なんだかちょっと霧が晴れる。

“考えることができる”ってすばらしいことだなって思った。それが、ちょっと、人より出来すぎちゃったのかな。だから神様は。

お兄ちゃんたちの成長も、丁寧に描かれてて。なんでアイツだけ?っていう気持ちは、誰しもが経験したことあると思うの。だけど、そこが、成長できるポイントなんだろうね。

お父さんはね、すごい難しい立場だったんだろうなって思う。仕事、家庭、妻の精神状態、兄弟の面倒…いろいろあったけど、どれも一生懸命で、すてきだった。

あと、最後の「お前にしか見えない景色があるはずや」すてきなことばでした。

お母さんは、一緒にいろいろ考えたり、経験してたから、時には楽しかったり、成長を感じたり、時には怒ったり、悲しかったり、何がなんなのかわからなかったり。

責任感がちょっと強いところは、元々なんだろうけど、それ故に、自分を責めちゃうところは、観てて辛かったな。

本人のやりたいことを尊重する。っていうことの、本物を観た気がする。

あと、小雪さんが、びっくりするくらい適役で。リアルにいそうで。すごい魅入っちゃいました。

本人は、自分が、辛いとか、大変とか、そういう言葉で表しちゃいけないほどの辛さだと思う。

「真綿で首締められてるみたいや」この台詞がめちゃ刺さって。一気にじゃなくて、片方ずつ、確実に、だんだんと感覚が無くなる感じ。それはほんとに辛かったと思う。

でも、それと戦って、戦い続けてて、一生。

「僕は豚とは違う」そうだよね。考えて、感じて、「自分の人生、自分らしく生きたい」かっこよかったです。

いろいろと、シンプルに感動したけど、それと同時に、この映画で描かれなかった部分、大学生時代、卒業後……って、続いていくから、そこも観たかった。…だけど、そこは、自分で考えることでもあるのかな。とも思った。

しんどくなるところはあるけど、それ以上に、知らなきゃいけないこと、感動するところ、考えるべきところが詰まってる2時間だから、観て損は無いというか、得です!

また観たい作品。