sonozy

ウェルカム トゥ ダリのsonozyのレビュー・感想・評価

ウェルカム トゥ ダリ(2022年製作の映画)
3.5
1974年以降 晩年のサルバドール・ダリの奇想天外な人生、妻ガラとの奇妙な夫婦関係を描いた作品。
実話をベースに、ダリのギャラリーに勤める青年ジェームズという架空のキャラクターを通して描かれます。

NYのダリの作品を扱うギャラリーで勤めて間もないジェームズが、ガラに金を届ける役目で、夫妻の冬の定宿としていたセントレジスホテルのスウィートルームを訪れると、そこはまさにDaliland(原題)。
アリス・クーパーなど多彩な取り巻きたちが集まる狂乱ワールドの扉を開けたジェームズは、その後、ダリと対面し「君は天使のような顔をしている。男でも女でもない。」と、ギュスターヴ・モローの絵画からの引用でサン・セバスティアンと呼ばれる。
ダリに気に入られたジェームズは、ギャラリーに属しながらダリの助手も勤めることになる。。

ダリ(ベン・キングズレー ※若い頃はエズラ・ミラー)、ガラ(バルバラ・スコヴァ)、ジェームズ(クリストファー・ブライニー)の3人を軸に、長年のダリの秘書キャプテン・ムーア(ルパート・グレイヴス)、ダリのミューズでトランスジェンダーのアマンダ・レア(アンドレア・ペジック)らが脇を固めるキャスティング。

権利の関係か、ダリの作品そのものは出てきませんが、『The Great Masturbator(大自慰者)』や、『The Persistence of Memory(記憶の固執/溶ける時計)』にまつわる(想像させる)シーンも印象的。

アマンダをミューズとしてそばに置きながら、ガラが全ての支えとなっているダリ。
金への物凄い執着と浪費。若いアーティスト、ジェフ・フェンホルトのパトロンに熱を上げるガラ。
展示会に向け(金を稼ぐため)もっと絵を描くのよ!と叱咤するガラと、その叱咤・怒りや、死への恐怖が作品作りのインスピレーションの源だというダリ。
この奇妙な夫婦関係が、その出会いや過去も含め知ることが出来、面白かったです。
sonozy

sonozy