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1F リアル あの日、原発の傍らにいた人たちのmingoのレビュー・感想・評価

4.3
「水がねえんだよ、、、」
名前もなき作業員の台詞がすべてを表現している。メルトダウンさせまいと命を賭した人々の証言の数々。まさに「事件は会議室で起こっているんじゃない、現場で起こっているんだ」を超絶リアルに。
55分という尺で福島原発事故で現場の人が如何にどう尽力したかを伝えた番組としてこれ以上は無い。全人類観なきゃ死ねない映像だと心底思う。
「電源喪失」→「連携失敗」→「ハイパーレスキュー」→「現場の人々」と時系列で追うだけで当時の記憶がよみがえり涙なくして観れない…同じ報道の現場で働く身としてはこの「地方」だからこそ出来るクリエイティブに頭が上がらない。




岳野高弘(福島中央テレビ報道局次長)×松川修三(福島中央テレビ報道局長)
×下村健一(ジャーナリスト)9.17トークメモ

岳野さん。繰り返し製作者側は見返すが作ってる前とか直後などでその都度伝えたいことが変わる気がするが、当時は「現場の声」を残そうとした。1時間まるっとみて、今でも現場で危険と隣り合わせで作業しているというところが大事なのかな。
松川さん。岳野は記者、郡山で私はデスクとして居た。10年経って放送に繋げることが出来た。ローカル局だからこそ出来たことなのかなと思う。
(質問)冒頭の東電の記録映像「黎明」をみられたと思うけど当時どのように伝えられていたか?実際には集会などで安全だと言われていた。東北のチベットと呼ばれていた、原発によって潤って食べていけるようになったというのは大きかった。ただ疑いの目はずっと向けられていた。「東電のやっていることは正しいのか」52分の2くらいは民主党政権にいけない部分があるのでは(下村さん)岳野さん取材断られるので毎回ふらっと行くと奥様が一人で居たのでこういう取材をしてて受けてくれないんですとお話しすると旦那さんが凄いんです!と言うと良いよと言われたりなど。東京の中枢にインタビューすると地元の声が薄れるから現場の声にシフトしていった。
栃本重機の栃本さんの実家へ戻ることは困難だが浪江町などの駅はもう復興してて人が住めるようにはなっている。「東京電力があるから生きていける」と言う人が居るのも事実。どこまで知るべきか?こういうときに知るべき。チャンスがあれば突き進むべき。作業員の健康状態、登場した人は全く問題ない。栃本さんが2.3日で80ミリの被曝。作業員の人もお金を稼がないといけないから、線量を交換してもらって作業したていうのは聞いたことがある。病気や死亡は聞いたことない、労災申請が認められたことくらい。こんな口の固そうな人たちをどうやって取材に漕ぎづけたのか、田浦さんにアポ取ったらすぐ良いよと、その代わり取材の1日前に飲み会をしようと(コロナ全盛期)。岳野さんと田浦さん同じ長崎出身、これはいけるなと。吉田さんが泣いたとかなどのエピソードは当日に。質問事項予め聞いたが一才書かれなく当日に、繋がり繋がりで。「爆発」という言葉は使うな、官邸の人たちは「隠せたらどんなに良いか」と言っていた。誰もなにが起きているかわからない状態だった。
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