maro

プー あくまのくまさんのmaroのレビュー・感想・評価

プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)
3.0
2023年日本公開映画で面白かった順位:89/90
  ストーリー:★★☆☆☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆

ディズニーでおなじみの『クマのプーさん』。
そのプーさんが、人をグッチャグチャにするスプラッター野郎として帰って来たんだけど、怖いというよりもはやシュールだった(笑)

プーさんは老若男女問わず世界的に愛されている人気キャラクター。
今回、こんな映画が実現したのは、原作がパブリックドメイン化したからだ。
つまり、著作権がないので好きにできると。

ただ、映画としては正直そんなに面白くはなかったかな(笑)
だって、ただひらすら人を殺しまくってるだけだから。
一応、そうなった背景は冒頭で語られており、動機についてはまあ理解できるんだけど、「近くに人がいたから殺す」というだけで感情移入の余地はまったくない。
で、その殺し方もこれまでのハリウッドの数々のスプラッター映画と変わらず、ジェイソンやブギーマンと同じことをプーさんがやっているというだけで、そこに差別化要素は皆無。
せめて人肉のはちみつ漬けぐらいして棚に並べておいてくれたらよかったのに(笑)

で、やっぱりあのかわいいプーさんが元になっているからか、怖いかどうかというと、実はそうでもなかったりする。
しかも、「これ、中に普通の人間が入っているんじゃないの?」ってぐらいにプーさんもピグレットも着ぐるみ感が強く、音楽もポップなので、ホラー映画という割には恐怖とは程遠かった。
なので、「あのプーさんがこんなにも人をグッチャグチャにしちゃう」というギャップを楽しむ以外にないんだよね。
プーさんが走って追いかけてくるところなんな面白すぎて、思わず吹いちゃったし(笑)
全体的に、劇画タッチなカーネルサンダースとか、超マッチョなドラえもんとか、そういう二次創作をずっと観ているような感じだったなー。

もうね、こういうのはやったもん勝ちだと思った。
プーさんのホラー映画なんて世界初だから、とりあえず形にして残しちゃえばこれがスタンダードになる。
たくさん作られちゃうと、映画の内容に対するハードルがどんどん高くなるけど、最初に作っちゃえばどんな内容でも許されるかなっていう(笑)
比較対象がないからね。
そういう意味では、圧倒的なスピード感をもってひとつの映画として形にしたことに賞賛を送りたい(笑)

そんなわけで、映画としてはそこまで面白くないけど、プーさんの新たな一面が観れるという意味では新鮮ではあった。
終わり方も尻切れトンボみたいな感じだったけど、続編はどうなるのかな。。。(笑)
maro

maro