とにかく沢山の人に観ていただきたい映画
観て感じて考えて欲しい。
あまりにもせつない
鑑賞中涙が止まりませんでした。
DVの夫から逃げる妊娠中の麻衣香(兒玉遥)。
頼る人も場所も無くひたすら逃げる。
お腹を蹴る夫から赤ちゃんを守る為に必死の逃走だ。
出会った北岡さん(窪塚俊介)に助けられラブホテルで獣医さん立ち会いで出産をするが…
北岡さん他登場人物はみんな訳ありで、一線を引きひっそりと生きているような人達。
きっと弱者(この場合に使いたくないが)と言われる人達だ。
それぞれの事情と過去が明らかになるにつれ主要人物の誰もが悪人では無い事が解る。
少しの不運と不器用さでどんな人でもこうなる可能性はあると思った。
寄り添いあい、助け合う。
でもこの人達の表情からは決して打算や傷の舐め合いではない、「本当の優しさ」が溢れている。
人に誤解され忌み嫌われるような売春嬢・アゲハ(佐藤江梨子)
心根の良さと繊細すぎるほどの思いやりの塊・北村さん。
このキャラクターを演じた窪塚俊介さんと佐藤江梨子さんの演技が素晴らしかった。
北村さんの表情を見る度に涙が溢れた。
戸籍の無い子供は病院にも行けず就学も出来ない。
この母親を無知という人もいるだろう。
でも恐怖に支配され外界を遮断するしか術の無かった麻衣香を救ったもの…。
“社会に必要とされていない人達”とあらすじに記されているこの人達の美しい心と優しさこそ社会に最も必要なのではないだろうか。
~~~~~舞台挨拶~~~~~
小沢監督
普段はアクション映画を撮っていてヒューマンは初めて。
やってくうちにのめり込んで行った。
演出しながら演っているようなもんだからどっと疲れた。
これから兒玉遥さんには一般的に難しいと言われる役に挑戦して欲しい。
アクションは凄い下手でも上手く撮る。
このヒロインの今後は観た方に委ねる。それが映画。
人が育って強くなって行くこの作品のように自分達も強くなっていきたい。
兒玉遥さん
映画の主演は初めて。
撮影が始まる前にミーティングで「とにかくブスに撮るから」と言われた。
監督は実は優しい。
ハイスピードカメラで綺麗に撮って頂いた。
何年も経ってから初心を思い出す作品にしたい。
この役は最初下ばかり向いていて気持ち悪いと自分で観て思った。
さくらがベッドで踊っていて拍手するシーンが凄く好き。
あの振り付けは自分が作った。
笑いもあり、明るい舞台挨拶でした。
鑑賞後、誰かに優しくなりたい、誰かの役に立ちたい、と切に思った。
小沢監督、素晴らしい作品をありがとうございました。