ろく

わたしの魔境のろくのレビュー・感想・評価

わたしの魔境(2022年製作の映画)
2.8
全体として醸し出されるのは「教習所」映画ね。

もう結論ありきな展開に鼻白むし、さらには役者の演技にも鼻白む。ああこれは教習所で早く終わればいいのにって思って見ている映画だよ。

いや、それでもインタビューパートはよかった。旧オウムの人たちにじかに聞くのは見応えがある。さらにコント演技と言っても終盤に繰り出される展開はなかなか見所あり。あれ、俺ひょっとしてこの映画を見誤った?そんな思いに駆られる。

でも結局結論がダメ(言い切った!)。この監督は自分も「加害者」であることを「被害者」であることを何も考えていず、ただ「自分の正しさ」で語っているの。それは悪いものは悪い、ダメ絶対!って語る教習所映画と同じじゃないか。そこで自分の立ち位置までぐらぐらすることはなくなってしまうんだよ。そして僕らも安全な立場から見る事を強制させられてしまう。違う、違うんだ。映画で大事なことは僕らを「揺さぶる」ことなんじゃないの。安易な善性に持ってこられても僕は困惑してしまうんだ。

ただ再度言うけどインタビューパートはなかなか興味深い。オウム→アレフ→ひかりの輪といろいろ教義の違いから分かれる様はさながら学生運動を見ているよう。なるほど、集団になるということはこれだけ「多くの考え」が出てくるってことなんだよね。納得。

でもドラマパートはどうも笑ってしまい事の深刻さを「わが身」に出来ないんだ、すまん。
ろく

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