けいり部

わたしの魔境のけいり部のレビュー・感想・評価

わたしの魔境(2022年製作の映画)
3.2
ドキュメンタリー+オリジナルドラマという変わった構成。日テレの『ザ!世界仰天ニュース』みたいな感じ。
ただしドラマパートのクオリティーが低過ぎるのが難点。


信者と交流がある人や団体に潜入した記者、旧オウム幹部などの証言を映したドキュメンタリー部分が面白く、どういう人がカルトにハマりやすいのか、そしてどういう方法で洗脳してくるのかが興味深い。睡眠時間や行動制限により脳から作り出された幻覚を真の世界の姿だと錯覚させられてしまう。
あと麻原氏に対する関係者の分析がけっこう面白い。

ある人は自分の理想とする両親の姿を求めたり、
居心地の良さ、心の拠り所を求め、
またある人は、自分で判断をするという重荷を背負うよりも、自分の判断を人に預けるのが楽と考える。

観ていると、ブラック企業とカルト信仰は似ているなと思った。
実際に所属してみて理想と現実が違った時に、すぐその組織を辞めることができるか。
ただ決してハマる人・抜け出せない人、弱い人が悪いのではない。あくまで、人の心理、弱さを利用する者が悪いのである。


世の中にはやりがいも生きがいも、役割も成長も仕事に求めていない人がいるってのも事実だろうね。
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