HAYATO

ヴィーガンズ・ハムのHAYATOのレビュー・感想・評価

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)
3.9
2023年474本目
コメディアン出身のファブリス・エブエが監督と主演を兼ねたブラックコメディ
自身が営む肉屋店をヴィーガンの活動家たちに襲撃されたヴィンセント&ソフィー夫妻は、犯人の1人を誤って殺してしまい、死体処理に困った夫妻は、死体をハムに加工して店頭に出してみると、図らずも人気商品になってしまう。
あらすじを見た段階でものすごく気になっていたけど、よくまあこんな話思いつくわというのが率直な感想。
ポスターからして最高に強烈。
不謹慎極まりないジョークと、人肉を食すカニバリズム描写が炸裂しているので、苦手な人は閲覧注意かも。
表向きは「イラン豚」を装って販売した「人肉」が思いの外好評だったことで、さらなる売り上げを狙った夫婦が、「人間狩り」を行う姿は、酷さよりも面白さが勝っちゃう。
草原でヴィーガンを追い回す夫婦を、肉食動物が草食動物を狩る様子に重ね合わせる演出が好き。
冷え切っていた夫婦関係が、ヴィーガン狩りを始めた途端に再び再燃していくところが印象に残る。
オープニングでの肉を仕込むシーンと、それ以降の人肉を切り刻んでスライスするシーンの対比にゾッとして鳥肌たった。
特定の思想を持っているというだけで、相手のことを知ろうともせず、いくらでも攻撃的になってしまう人間の残酷さや危うさを感じ、主義主張を押し付けるのではなく、理解し合おうとする姿勢を持つことが重要なのだと思った。
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