正直あまり期待していなかった分、シナリオの良さにとても驚いた。
作品全体を通して簡潔でとても分かりやすく、上映時間も短いため、非常に見やすい作品であると感じた。また今日、時間をかけて考えさせられる作品や、考察が求められる作品が多く、社会的にも好まれる中で、この作品のように短時間でシンプルに見ることのできる良作は貴重であり、誰でも簡単に見れる「娯楽としての映画」の良さを感じた。
一部個人の主張を他者に押し付ける行き過ぎた現代社会の現状を、ホラーと社会的ネタなどで面白おかしく描写することで、風刺コンテンツとして上手く昇華されており、とてもよくまとめられているなと感じた。
しかし一方で最後の捕まるまでの流れが早く、そこをもう少し描写しても良かったのでは無いかと感じた。詰めが甘いように感じて少し物足りなかった。またやはりフランスの映画なので仕方がないが、小物のクオリティは少し低いと感じた。
この作品を完全に楽しむためには、フランスの暴力的な主張する風潮や、グローバル社会における様々な人種や宗教の国の食べ物のステレオタイプについて理解しておくと、作中におけるブラックジョークが理解でき、より一層楽しめるのでおすすめする。
