kuu

ぼくのデコ 23歳のヴァンパイア兄貴のkuuのレビュー・感想・評価

2.2
『ぼくのデコ 23歳のヴァンパイア兄貴』
原題 Let the Wrong One In
製作年 2021年。上映時間 96分。
『道化死てるぜ!』のコナー・マクマホンが監督・脚本を手がけ、兄がバンパイア化したことを知った青年の葛藤を描いたアイルランド発のホラーコメディ。
原題"LET THE WRONG ONE IN"は、『ぼくのエリ 200歳の少女』の英語版タイトル"LET THE LIGHT ONE IN"』をもじったものやそうですが、両者の共通点はヴァンパイアのみ!!
また、邦題は無理やりこじつけで意味不明。

スーパーマーケットで働くティーンエイジャーのマットは、兄デコがバンパイアになってしまったという衝撃の事実を知る。
兄をこのまま生かすべきか、それとも杭を打ち込んで退治するべきか、究極の選択を突きつけられるマットだったが。。。

失礼ながら、良くもまぁこれだけ不器量なヴァンパイアを集めたもんやなぁ。
一人も器量良しいない。
モブキャラの中のザコキャラ集めた感満載。
VAMP(ヴァンパイア)ファンとしては、気品を漂わせた吸血鬼を一人くらい出してほしかった泪。
とは云え、今作品には多少の楽しみが無いことはない。
ベタな設定と前提から生まれるサムいコメディ。
サムい笑いを繰り返されると多少なりとも笑えるし面白くなる(変わってますが)。
VAMPに噛まれた経緯だとか、オープニングでは、VAMPになってもたアホ兄ちゃんは肌を焼く陽射しが差し込むにもかかわらず母ちゃんの視界に入らないようにしたり、何が起こっているのか気づかない兄の愚かさに、ドリフ観たときみたいに、取りあえずツッコミを入れたりと、この状況に関する光景ギャグやジョークが連発される。
それらがお肌に合わないときは一時停止か永久停止を押すことをオススメします。
この一進一退の掛け合いはほんの手始めに過ぎず、今作品に登場するタイプのコメディーは、他者から彼を遠ざける必要があるにもかかわらず、彼らの不器用な行動や無能さに巻き込まれてしまうという、あらゆるくだらなさ満載なシチュエーションで展開される。
このような状況下、ここで繰り広げられる一連の恐怖の待ち伏せは緩急がついてて悪くなかった。
ブッ細工(失礼)ヴァンパイアが花嫁を同族に変え、他の花嫁パーティーに暴れまくる冒頭の攻撃はそれなりにコメディホラー感はあった。
また、フラッシュバックでアホ兄ちゃんを攻撃して彼を同族に変えてしまう場面では、怪しげな血しぶきとともに笑いが混ざり合う。
後半の家でのシーンでは、兄に杭を打とうとするハンターと戦うが、そのようなおふざけと本格的なジャンルのアクションが続く。
ヴァンパイアたちが兄弟を殺そうとする中、VAMPが捕らえられた母親を取り戻そうと闘うフィナーレでは、今作品にしては健闘ものバトルが繰り広げられる。
アクションと、人間もVAMPも血しぶきで殺される生々しさによって、今作品はかなり好感が持てる仕上がりにはなっていた。
ただ、兄弟関係を突然2人の成長体験に変えるという映画の突然の決定で、これは信じられないほど場違いな感じがした。
元々離れ離れになっていた2人が再び一緒になるきっかけを、突然成長体験に変えてしまうという決断は、そうする意味がほとんどないまま突然出てくる。
その当たりは面白みに欠ける。
また、フィナーレの混乱ぶりは、軽快なアクションを見せるために不規則な登場人物を登場させたり、何人かの登場人物に意味不明な暴露をしたりするところであり失望を与えたかな。
コメディの試みによるチープさは、多くの人には受け入れられないかもしれないが、これが今作品の問題かな。
kuu

kuu