かわばうあー

福田村事件のかわばうあーのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
4.0
「福田村事件」を観に京都みなみ会館へ。「ドキュメント サニーデイ・サービス」「シン・ちむどんどん」とみなみ会館続きだけど、今月末での閉館が惜しまれます。京都でこういった切り口の作品が今後も観続けられるのだろうか?と気になりつつ・・

映画の感想として変かもしれませんが、京都では19年に京アニ放火事件、21年に在日コリアンが暮らすウトロ地区での放火事件といった、人間の思い込みや偏見・差別意識の暴走によって忌々しい事件が起こったことも関係して、この作品を観ながら、この作品を鑑賞している今も、暴走した人々によって標的にされたらどうしようと恐怖心が湧き上がっていきました。

昔の人がどういう人だったかは知り得ないけど、現代のわれわれを取り巻く、情報の広がり方の持つ危うさは増す一方で、それらの影響を少なからず受けたであろう東出・水道橋博士・コムアイらをキャスティングしたのは監督の意図したところかは分からないけど、彼ら(特にコムアイ)の演技がとても良かったのが印象に残った。

逆に、新聞記者の苦悩については、尺の問題だったのか取ってつけた感というか薄く感じた。田中麗奈の悶々よりも優先しても良かったのでは?