あき

福田村事件のあきのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
5.0
劇場が大きくないとは言え、全ての回がチケット完売で事前予約しないと観劇できない熱量を理解して上回る内容だった。
史実に基づいた作品ではあるが、事件から100年を経過して、人間は科学技術が当時と比較にならないほど進歩したというのに、
人間の道徳性や人間性においては全く進歩してないことに虚無感しかない。
ましてや、根拠を確認せず炎上対象者が自殺するか社会的に抹殺されるまで叩き続ける”自分が叩かれないことを担保とした正義感”は、当時と違ってネットを介して逆に規模的にもボリューム的にも飛躍的に大きくなっていることに戦慄を覚える。
そしてこの作品にあえて東出昌大、ピエール瀧を採用したことにも製作陣の強いメッセージを感じて熱くなった。
この事件及びそれを改めて映画化されたその意義を、観たものがしっかりと心に刻んでいくとして、将来人間は成長していけるのかと考えて止まない。
あき

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