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福田村事件のsnatchのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
4.4
どう書こうか


私が見ないでいる事知らないでいる事は無限にある
人間である限り自分の感情のひだも、いつどうなるかなんてわからない
以下、少し中身に触れています





大正時代なのにデマや噂が広まる速さに驚く。その流言飛語を載せていくレールもあった
同調圧力 右に倣え 国民を情報操作する政府 巻き添え喰らうならペンを止める媒体
どこの国の人間だ、どこの出だ
何もかも今と大して変わっていない


事件が始まり
加害者にもなりたくないし被害者にもなりたくないし
傍観者でいるのさえも
逃げ出したくなった

でも堪えて観続けるうちに
黙っていてはいけないんだ
声を出せって言っていた
瑛太のように
井浦新さんのように

森達也さんが最後の最後まで立ち聳え、真正面から私の目をじっと見ていた

最後まで観た


加えて昭和から日本映画を作ってきた映画狂のおじ様たち三人の共同脚本だから、言いたい事が山のようにあった😳観る者の心に引っかかるようにと、日本人が置き去りにしている問題のカケラを映画のあっちにもこっちに散らしていた
それは敢えて観る者と対話が始まるようにと作ってあるからだろう
でもこのテーマの映画を観に行く人々としか対話が出来ないとなると、それでは目的を果たせないのかもしれないが

でもこういう映画を今、作らなければという意志と、
関東大震災の時こんな酷い事も起きましたと、数行で通過する教科書や記事ニュースではなく、名前さえも葬り去られた1人1人を掬おうとした動機。初めて劇映画に取り組んだこの67歳の日本人森達也監督に敬意を表します
やっぱ、劇映画ってドキュメンタリーと比べれば莫大な資金が要りますよね、しかも時代劇。この映画に携わった大勢の人の大変な労力と努力も尊敬します


事件のバックに流れるあの音が自分の心臓を煽り、忘れられぬ連続現場になるが、実際は無音、鳥や虫の声、川のせせらぎ、その自然の中を狂気と叫び声 啜り泣く老若男女の声がこの村に響いていたのだろう。異質な空間で起きた事件ではない。何処にでもある風景を背に

性愛や出産 死が、当時の人々の生活の営みに密接に張りついている、現代よりも人と人が近く家族が緊密だった
戦争に男たちを取られ、残された女たちの不安や寂しさ温もりの欲しさもあった
でもどの時代でも、憎悪が生まれた時、こんなにも簡単にその人の歩んできた積み重なり喜怒哀楽を一瞬にして破壊する。殺った方の心も

ずーっとこれを何処の地でも繰り返しているんだね
残された者少年の瞳に望みを見るのか
奥底にある復讐の種火を見てしまうのか

配信で現代の薄泡日本映画観て沈んでいたが😩これはこれで映画五本分位ぶっ込んできて撃沈したので満点は免れさせて〰︎ヘトヘトだよお🥶
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