このレビューはネタバレを含みます
時代の空気がいかようだったのかを前半で描いていて、観ているうちから「白いリボン」を思い出した。鑑賞後の胸糞は最悪だが反面教師にすべきところは山ほどある。
最後の博士のセリフが全体を表していた。内務省はなぜ通知を出したのか、駐在員の連絡があるまでなぜ保留できなかったのか。蛮族と呼ばれても反論できない愚かさが我々の歴史の汚点として残っていると追認した。
現代を生きる我々には事件への責任はないが、繰り返さないために努力する責任は、ある。
追記
ラジオでジャーナリストの安田浩一さんが指摘していて、重要だと思ったので(正確ではないけど)記録。
曰く「本件は排外的なヘイト感情の昂ぶりとそれに歯止めをかけられなかった。故に同胞の命を奪ってしまった。翻って、現代を生きる我々はそれができているのか」と。
追記2
記事にしないでくれという村民に対し、同様のことを今まで報道してこなかった故に引き起こされた事件、というのは印象的なセリフだった。これは「スポットライト 世紀のスクープ」の事実が世に出たときの責任を取れるのかという問いに対して、報道しなかった場合の責任を取れるのかと逆に問い質したことを思い出した。