森達也の語り続けてきたことを劇映画として具現化するとこうなるっていうのをほぼベストな形で出してきたなっていう印象。
排外主義によるアイデンティティの強化、それに集団の狂気が混ざると最悪という。これほどフィクションの演出が出来るのか、という驚きがあった。後半40分の緊張感は見事だった。
ただ在日外国人以外、当時の社会主義者のイデオロギーが立ってしまう映画芸術チームの匂いがやはり、というか、まぁそうだよね、というか…。
ロシアは差別を無くそうとした国、みたいな語り口は当時の社会主義者のリアルとして語られているようでいて、実はマジで脚本家チームは今なおそう思ってるんじゃねぇか、という節があり、ちょっと現代では無理があるんじゃないか？と首を傾げる部分もあったのが本音。
