千住コンサ

福田村事件の千住コンサのネタバレレビュー・内容・結末

福田村事件(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

期待通りの面白さ、観て良かった。今年の邦画実写のMYトップ3に入れたい。

目を背けたくなる日本の負の歴史を映画作品に昇華させている。
観ていて苦しいが、心にズシっとのしかかる名作。

※田中麗奈、瑛太、柄本明は安定感があり、豆腐屋のコムアイさん他若手の演技も良い意味でサプライズであった。

※知らずに日本語字幕付きで鑑賞することになった。最初は読むのが面倒だったが、前半はその時代の独特の用語や背景を正しく理解でき、また方言も強く、登場人物は少なくは無いので、字幕のおかげで後半で登場人物の名前と伏線の回収がすーっと頭の中に入ってくるのでむしろ悪くなかったです。
実際後半は字幕を目で追いかけて読んでいませんでしたし、すんなり理解できました。

以下、自分のための備忘録の感想メモですが、ネタバレです。
予備知識なく見た方が良いと思いますので、以下は映画を見る前に読まないでください。

※年表
1894年日清戦争
1904年日露戦争
1909年伊藤博文暗殺事件
1910年 日韓併合
1914-1918年 第一次世界大戦
1918年米騒動、シベリア出兵
1919年 朝鮮三・一独立運動、提岩里教会事件、スペイン風邪
1922年 全国水平社(部落解放団体)設立
1923年(大正12年)9月1日 関東大震災

*野田、流山、亀戸、本所、浅草、荒川といった私にとっては身近な地名が出てきて非常に分かりやすかった。

*終盤は殺人描写を淡々と客観的に撮影しており余計に恐ろしい。
震災後の恐怖、ストレスとパニック心理、偏見が引き起こした悲惨な事件だが、これから多国籍化するであろう日本社会にも通じるメッセージと受け止めた。

以下ネタバレのキーワード※ 予備知識なく見た方が良いと思いますので、以下は映画を見る前に読まないでください。


-通訳、提岩里教会事件、東洋拓殖会社、白磁の指輪と豆腐、鮮人、朝鮮飴のまとめ買い、扇子、荒川土手で射殺、十五円五十銭

-御守り、水平社、穢多、讃岐の薬売り、道後の湯の花

-田向村長の大正デモクラシー、在郷軍人会の分会長、長谷川

-千葉日々新聞、モダガ(モダンガール)

-平澤計七の亀戸事件(社会主義者弾圧)
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