最近会う人会う人色んな人におすすめされてたので鑑賞。観ると辛くなるのわかってたので、いい映画なのだろうとは思いながらも観る気がしないな…とスルーするとこだったのだが、やはり観てよかったと思う。
重い映画であることは違いないのだが、前半部分はコミカルなところもあり、登場人物それぞれのドラマをしっかりやっていてみんなのことが好きになってしまう。その明るさがよかった。そしてその明るさが後半の悲劇をさらに浮き立たせる。
とにかく素晴らしいキャスト大集合で、演出もよく、キャストの魅力が存分に生かされて、そこは森監督予想以上だった。この点が本映画の1番の魅力で、力のある映画になったところだと思う（東出昌大はタイプキャスト過ぎてちょっとなと思った）。
難点は性愛に関して女性をステレオタイプに描きすぎだし、ぜんぶ性愛の話に持ってこうとするのなんで？と思った。
あとは澤田の過去に関わるシーンのところは全て台詞に頼ることになり、流石にもう少しどうにかならなかったのかと思う。
ただ悲しいだけの映画ではなく、楽しく温かい気持ちにもなり、そしてとても怒りが湧いてくる映画だった。色んな感情が喚起されるのがいい映画だと思う。しかし最後に僕が包まれたのは無力感だった。
ヒットしてるのはとてもいいことだと思いつつも、それでもこの映画を観に行く人はそもそもこの映画のテーマに賛同できるひとで、どうせ普段から差別発言をして憚らない人たちは、そもそも観に行こうと思ってないだろうしこの先も観ることないだろうと、無力感に苛まれてしまった。
