のんきサン

福田村事件ののんきサンのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
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差別の究極で、人は死ぬのかと思った。
差別がある世の中を前提に描かれるのではなく、閉じた世界で生きている人が、不条理にさらされ、怒りや差別をきっかけに、狂気じみた考えに踊らされる様が描かれているので、現代の日本と重なるところが多い。
昔のこととして語られるだけでなく、今の自分もやりかねないこととして感じられるように作られている点は、ドキュメンタリーの監督だからこそできたのかなあなどと思った。

閉じた村の住人である一部の者たちが、一度止めに入れたのは、経験や知識、共感の有無の差かもしれない。
知識を得ること、相手に心を寄せることを、絶対に忘れてはいけないと心に誓った。

また、町の外れ者かつ色男としてキャスティングされていた、東出さんの妙なエロさと高身長による浮世離れ感が素晴らしかった。役者のビジュアルによる説得力って、すごいなあと思った。