ブタブタ

福田村事件のブタブタのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
3.5
⚠️映画にはほぼ関係ない内容になっております⚠️
関東大震災に於ける「朝鮮人が井戸に毒を入れた、火をつけて回っている」の余りにも悪質なデマから始まる朝鮮人の大量虐殺について、現政権含む過去の殆どの我が国の政府見解は否定する方向で話しは終わっている。
現大臣は「資料がない」
小池に至っては否定以前に「無視」を決め込んでいる。
かつて「ナチスのホロコーストは無かった」との記事を載せた雑誌マルコポーロ編集長・花田ナンタラ(かずのりらしいが字知らん)は安倍第2次政権と共により高まった反中反韓、極右、ヘイト思想の社会的高まりと共にシレッと復活している。
思えばあの頃は未だホロコーストを否定したりすればそんな人間はちゃんと干されたんだなと。
ナチスと言えば最近では愚作『運命のダイヤル』にも出て来た世界征服を企む愉快な永遠の悪のボンクラ集団。
《大日本帝国》だって《ナチス第三帝国》と同じくボンクラ映画に登場して世界征服を企む愉快な永遠の悪のボンクラ集団としてのポテンシャルは持ってるし、そう描かれてもいいと思うのだけど。
(最近ではアマプラ『高い城の男』や『アフリカン・カンフー・ナチス』等に登場してるが)

“あの”ジャニーズが解体・消滅するらしい。
但しその発端はアメリカ初の報道という「外圧」からである事からして今の日本という国に自浄能力は無いと思われる。
関東大震災に於ける国家も加担した、朝鮮人大量虐殺を始めとする数々の悪行を政府が認める日が来るとしたら矢張り外からの力による物だと思う。

今の日本に蔓延るヘイト・レイシズム・ネトウヨ連中を見る度に暗澹たる気持ちになるのは、無論それその物の愚かさ、グロテスクさ、馬鹿さ加減さも理由ながらかく言う自分の父親も典型的な愛国主義者の差別主義者で事有る事に口を開けば「朝鮮人朝鮮人」と言っていたのを思い出すから。
例えるならアメリカ人がfuckって言う様な意味合いと頻度で何かあると「朝鮮人朝鮮人」と言っていた。
自分が幼少のみぎり、父親から執拗い程聞かされた「関東大震災に於ける朝鮮人による毒物テロや破壊活動」そして丁度その頃の嫌韓ブーム(?)と小林よしのり『ゴーマニズム宣言』による「南京大虐殺はなかった」及び「敗戦後の朝鮮人達による自称・朝鮮進駐軍による日本人婦女への強姦・暴行」等等それらを全部本気で信じており(!)学校でも普通に級友達に話していた。
思い出すのは小学校低学年の頃、自分の事を名前を捩って「猿、猿」と呼んで嫌がらせをする生徒がクラスに居た。
更にエスカレートし自分に対して明らかにイジメ行為をする様になった。
その生徒は後で知ったのだが実は「在日朝鮮人」であり、そのイジメ行為の理由は自分の誤った朝鮮人史観による物だと今は思い当たるけど当時はそんな事に思いが及ぶ賢い子供ではなかったので、自分が始めたのはその在日朝鮮人の生徒に対する仕返しであった。
相手が「猿!猿!」と言えば自分は「朝鮮人!朝鮮人!」と罵倒する。
その時の担任教師が本当に年寄りの役立たずで何の問題解決能力も持っておらず両者の嫌がらせとその報復はエスカレートする一方で、あのまま続いてたら大袈裟でなくどちらかがどちらかを殺す迄行ったのではないだろうか。
詳細は省きますが結果的にクラス替えによりその生徒とは離れ有耶無耶になったのですがあれがエスカレートしていれば自分或いは相手が耐えきれず自殺したりとかそんな悲惨な結末にもなった可能性が有り得ると今思い返してもゾッとするし暗澹たる気持ちになる。
そんな感じで(?)関東大震災及び朝鮮人大量虐殺を描く作品を見る度にあの時の在日朝鮮人の彼を思い出して暗澹たる気持ちにもなる。
そいつの事は今でも思い出すだけで腹が立つので申し訳ないとかそういうのでは全く無いのですが(笑)

関東大震災を含めて明治末期から大戦前夜の昭和初期を舞台にしたフィクション、所謂『偽史』をエンターテインメントとして描き続けているのが大塚英志。
完全版が先頃出た『木島日記:もどき開口』にも関東大震災における朝鮮人虐殺や其れに乗じた憲兵・甘粕正彦によるアナーキスト大杉栄・伊藤野枝の暗殺事件が出てくる。
その後、大杉栄は復活しラスボスである“概念”のエンペラー・ヒロヒトとの戦いを開始する。
森達也監督は本作品を飽くまでもエンターテインメントですと語ってるけど、ドキュメンタリー、フィクション、どちらにも振り切れておらず、あわよくばそのどちら共に良いとこ取りしたいみたいなやらしさが垣間見えて何か納得出来ない。
その描くテーマ、社会的メッセージ、問題提起から言ったら本作品はとてつもない価値があると思うけど。
何か中途半端で双方に振り切れてなくて、でも其れが本作品を面白い映画としてギリギリ成立させてる様な気もして困ったところ(?)
エログロ・スプラッターポルノだった『丑三つの村』にも少し似てるけどあれ程徹底的に残酷でもエロでもなかったし(あの( ゚∀゚)o彡°おっぱい!は何だったのだ)
三角絞めさんも言及してたけど水道橋博士演じる在郷軍人始めキャラクターはカリカチュア化されてて、虐殺に走る連中は押し並べて「醜く頭が悪い人達」で正義側の人達は皆美男美女俳優が演じてるし。
其れから関係ないけど東出昌大は何でシレーっと何事も無いように復活してるんだろ。
唐田えりかさんは干されっぱなしだと言うのに。(『極悪女王』どうなった?)

終わっちゃった『セブンルール』に登場した大阪の本屋さん回で紹介されて知り読んだ『典獄と934人のメロス』(文庫化された際に『囚人服のメロスたち』に改題されたけど『典獄と~』の方が断然キャッチーなのに)関東大震災における横浜刑務所から一時解放された囚人達と、戻れない囚人の兄の代わりにその妹である美少女(!)サキが典獄(刑務所長)へ手紙を届けるべく大火災と朝鮮人虐殺の地獄絵図の中を40キロ走った!て言うもう完全にフィクションみたいな話しがあってコレを映画化したら、美少女サキは浜辺美波さんとかでやったら凄いなーと思うけど無理だらうと思うと同時に関東大震災と朝鮮人大量虐殺、それ等の事柄を問題提起とハッキリ歴史的事実と認定させ更にエンターテインメントとして描くならそれくらいやって欲しいと思うのでした。
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